工場内にはライン制御や加工機械制御のためにいくつものPCが接続されています。製造業においてもランサムウェアに代表されるコンピューターウイルスやその他のデジタル攻撃も珍しくなくなった現在において、工場内のセキュリティをどのように考えていけばいいのでしょうか。まずは、データ受け渡し時のセキュリティについてです。マシニングセンタなどに加工用データを入力する際にUSBメモリを使うことがありますが、ここにウイルス感染の危険性があります。
USBメモリ内のデータがウイルス感染していた場合にPCやマシニングセンタが使用不可能になることも考えられるため、一度ネットワークから隔離されたスタンドアロン環境でUSB内のウイルスチェックをしたほうがいいでしょう。工場内の他のPCにUSBメモリを接続する場合も同様です。もちろん、各PCのウイルス対策用ソフトも常に最新の状態に保っておくことも重要です。最近は工場内の配線を整理するために、ネットワークをWi-Fiなどの無線環境で構築することも珍しくなくなってきました。
この場合は必ず無線セキュリティにWPA3のエンタープライズ向け規格を採用し、盗聴やハッキングにより侵入されないようにしましょう。企業向けや産業現場向けの各種無線通信機器であれば対応しているはずです。どのような現場でも侵入者から狙われているということを常に念頭に置いて、セキュリティ対策を講じるよう心がけてください。